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太陽光パネル設置見学会  2014/5/12 mon

皆さまからのご支援を受け、ついに太陽光パネルを設置いたしました。
 
その工事に伴い、あわせて見学説明会を開催し、施工会社の㈲エコテック 林さんから
太陽電池の基本的なお話から最新の状況についてもお話いただきました。

<質疑応答編>

 有限会社エコテック 林さんからの基礎的な話の後、説明会にご参加いただいた皆様からの質問にお答えいただきました。

 

◎太陽電池はその製造過程も含めたエネルギーの元をとれるんでしょうか?

 

全量買取制度の適用年数に20年と10年の違いがありますが、条件の差はなんですか?

 

20年の買取制度が適用されると、お金としてはどのくらい得ですか?

 

ドイツでは、長期の買取保証ができたことで、状況が劇的に変わったという話がありますが、日本でも同様のことは起こっていますか?

 

◎ここ(かぜのね)で作れる電力量でどのくらいの家電が動かせますか?

 

◎ここ(かぜのね)で作った電気は貯めてるんですか?

 

質問>

太陽電池は、その製造過程も含めたエネルギーの元をとれるんでしょうか?

 

 

回答>

基本的にはシリコン系の太陽電池で大体1.5年くらい。

CIGS系だと、0.9年くらいで回収できるってデータが出ています。

だから、約2年以下で回収できると答えていただけたら問題ないのかなと思います。

 

 

これは「エネルギーペイバックタイム(エネルギー回収年数)という研究に基づいています。

太陽電池をつくるのに掛かったエネルギーを含め、どのくらいの時間で回収できるかという考え方です。

 

国際的な学会とかもあって、そこでのデータがネットにも出てます。

それが信用できないと言われてしまうとどうしょうもないんですが(笑)

いちおう、アカデミックな場、産業界、国の機関など、各所で2年以下で回収できるとされています。

 

じゃあ、お金の元はとれるのかって話でいくと、

それは実際の発電量と設置にかかった経費を合せてみないといけないんですけど、

 

たとえば、ここ(かぜのね)は、まず発電した分はまず自分たちで使って、

余った分を売るという仕組みを採用してますが、

発電量の6割くらいを売電出来たとして、年間12万円くらい稼ぎ出すと見込んでいます。

なので、10年くらいで回収できるんじゃないかなと思います。

電気は買うのは26円/kWh、売るのは37円/kWhで、売る方が11円くらい高いですから、

売れば売るほど利益はあがって、回収も早くなります。

 

 

質問>

買取制度の適用年数には20年と10年の違いがありますが、条件の差はなんですか?

 

 

回答>

発電量の差です。出力10kW以上だと20年になります。

太陽電池を設置するのが法人とか個人とかの違いもなく、10kW以上のパネルをつけられるどうかだけが問題です。

 

だから、買取を考えれば、20年間の買取価格が保証される10kW以上の太陽電池の方がもちろん得です。

 

でも、絶対的にどちらがいいというのはなくて、まず自分たちで使うために作りたいという考え方だったり、

消費的な生活をやめて、省エネなくらしをしていきたいということで小規模の選択をするのもいいと思います。

 

質問>

20年の買取制度が適用されると、お金としてどのくらい得ですか?

 

 

回答>

だいたい10年で設置費用が回収できるので、11年目以降は丸々儲けになります。

 

だから、お金と場所をもっている人は皆(10kW以上)つけてます。

一度設置をしてみて、その成果をみて、余っている場所にさらに追加で付けて欲しいという依頼もよくあります。

 

但し、法人だと公的な補助金はありません。個人住宅も2014年度から国からのものはなくなります。

京都市など、自治体関係は残しているところはありますけど、基本的には個人で余剰買取が補助金の対象になると思います。

 

ちなみに、かぜのねの屋根も効率の良い(値段も高い)パネルを乗せたら、

ギリギリ10kW分の太陽電池を乗せることができます。

 

ただ、まず自分たちで使いたいという意思と費用の面から、

できるところから始めるということで、今回の大きさ(4kW)になりました。

 

質問>

ドイツでは、長期の買取保証ができたことで、状況が劇的に変わったという話があるんですけども、日本でも同様のことは起こっていますか?

 

 

回答>

買取制度が出来てから一気に自然エネルギーの普及が進んだのは間違いないです。

 

われわれも、それまでは仕事を探さないとない状態だったのが一変しました。

仕事がわっと入って来て、断らなければいけないくらい。

太陽電池を扱う業者も劇的に増えて、今、太陽電池を扱っていない工務店はないんじゃないかと思う程です。

 

電力買取保証制度、Feed-in Tariff(FIT)といいますけど、

このドイツでされていた制度を日本も真似して始めたからです。

 

実は、われわれもNPOなどとも協力して長年このFITを日本でも始めるよう行政にも働きかけてたんですけど、

なかなか実現されなかったんですね。それが民主党政権になって、やっと実現した。

民主党政権、いろいろ言われますけども、これはいいことをやったと、

ひょっとしたら、自民党政権では実現しなかったんじゃないかと思います。

 

それで明らかにエネルギーの状況は変わりました。

ただ、太陽光以外の他の再生可能エネルギーももっと効率よく買いとられるものもあるのに、

太陽光発電ばかりが普及している現状は、少し勿体ないと感じます。

 

 

質問>

ここ(かぜのね)で作れる電力量でどのくらいの家電が動かせますか?

 

 

回答>

4kWh=4,000Whが最大なので、理論値では最大で40A契約と同じだけの電力が使えます。

ただ、常に最大ということはないと思いますので、

晴天時でだいたいその8割として、30A契約と近い電力量が使えると思います。

 

だから、現在の契約アンペアや使用電力と比べてそれが少なければ太陽電池を増やすということも考えられますが、

やはり、それとは別に、省エネを進めていくのが大事だと思います。

ここ(かぜのね)だったら、照明をLEDに変えるとか、そういうところから変えるのがいいと思います。

各ご家庭でも、テレビを観ていない時は消すとか、そういう当り前のことを暮らしの中で行っていくだけで、

無駄な電力をぐっと減らしていくことは出来ます。

 

ちなみに、うち(林さんのお宅)は、夫婦二人ですけど、真夏の資料電力は120kWhくらいです。

あまりに少ないとビックリされますけど、全然無理してません。

テレビは主電源から切るとか、トイレの便座の電源は朝 、先に起きた方がつけるとか、

そういうことがクセになって、徹底できているだけなんです。

 

質問>

ここで作った電気は貯めてるんですか?

 

 

回答>

蓄電はしていません。なので、発電してない時は関電からの電気をつかいます。

 

蓄電に関していうと、ゆくゆくはスマートグリッドとか、スマートコミュニティとか、

そういう社会をつくろうという流れはあって、

たとえば電気自動車のバッテリーに貯めて使おうとかって話も出て来てるんですが、

バッテリー自体はまだまだ高価ですし、その割には技術的にもまだまだだと思います。

だから、今の所は、系統連携といいますけど、電力会社の電線に繋いで、足りない部分を補うということになります。

 

いま、オフグリッドといって、バッテリーを備えて関電なんかの電力系統から独立するシステムもありますけど、

バッテリーをつくる際のエネルギーは莫大なので、

もしそれが一般的に普及したら、それはちょっと恐ろしいなと感じます。

 

だから、わたし自身は、目指すべき社会というのは、

関電なんかのエネルギー会社だけに任せず、協同して色んな人や会社が発電して送電もする。

そういう社会がいいと思うし、合理的だとも思います。

 

山の中で孤立した住居ならばともかく、せっかくこんなに密集して暮らしているんですから、

電気についても協力し合う暮らし方っていうのを勧めています。

 

 

 

                                                 

(質疑応答ここまで

 

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