電力自由化勉強会 報告 2015/10/3 sat

電力自由化ってなに?
〜私たちの選択と電力システム改革〜


10月3日(土)に気候ネットワークの豊田陽介さんに来ていただき、
来年の4月から始まる一般家庭やお店などへの電力自由化について話をしてもらいました。
来年から私たちも、電力会社を選ぶことができるようになるのです!
この制度改革によって、私たちの電力を再生可能エネルギー(再エネ)にシフトしていくことはできるのでしょうか?
そもそも、何がどのように自由になるのか、まずはそこからお話ししてくれました。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 

 

 

 

 

●今回は小売の自由化
これまでの日本の電力は、本州を9つのブロックに分けた上で、

そのブロック内では独占経営で安定した電力の供給をするという体制となっていました。

発電、送電、配電、小売をすべて一つの電力会社が統括。

いわゆる計画経済に基づいて供給していたので、

他の経済のような市場メカニズムによる需要と供給の調整は働いていませんでした。

来年自由化されるのは、小売の部分です。

送・配電に関しては今後、発送電分離に向けて徐々に小会社化から

中間組織による管理・運営、そして最終的には完全別会社化を目指します(2020年予定)。

なので、しばらくは関西電力(関電)などに電力会社はお金を払って電気を送ってもらう形になります。
そして、電力自由化によって、エリア(関電圏)外からも電力を購入することもできるようになります。



●具体的なスケジュール
2016年4月から小売全面自由化が開始することは決まっています。
それに先立って、私たちは電力会社の切り替え(スイッチング)の事前予約を来年1月からすることができます。

新小売業者へ申し込みをするだけで、その業者が関電への廃止申し込みを行ってくれるので、手続きは終了です。

各戸には、スマートメーターが取り付けられます。
スイッチングに必要な情報は、氏名、住所、電話番号、現小売のお客様番号、供給地点特定番号です。

その小売事業者なのですが、すでにこの夏から事前登録は始まっています。

8月末時点で70社近くが登録申請しているそうです。

どんな会社から選ぶことができるのでしょうね。


●電力自由化はよいの?悪いの?
まずは選択肢ができることは嬉しいことです。

今まで私たちは、どんなに電力会社の方針に納得がいかなくても、

そこからしか電気を購入することはできませんでした。
しかし、この改革によって日本のエネルギーのあり方がよくなるかどうかは

私たち次第なのではないかなぁと今回の勉強会を受けて思いました。

自由化で競争が促進されたら、電気料金は下がると思いますよね。

短期的にはたぶん安い電力が出てきます。

一瞬、それは嬉しい!と思いたくもなりますが、

ではどんな電力が安くなるのかと考えるとちょっと憂鬱になります。

今、石炭火力発電が急増しているそうです。

2030年頃までに48基の石炭火力発電が建設予定だとのことで、これは温暖化にかなり貢献しそうです…。

世界とは真逆の方向に進む可能性は大です。

では再エネ事業者はどうなのかと言えば、なかなか状況は厳しそうです。

制度変更によって事業リスクが高まって、参入が困難になることが予想されています。


●私たちができること
でもでも、可能性はあります。
ドイツでは、限界費用とメリットオーダー効果があるということで、

再エネが市場で他の電源を淘汰しているとのこと。

大手のE.ON社では、経営方針を転換せざるを得なく、

原発と火力を別会社化して、本社事業として再エネに力を入れ始めたそうです。

日本のエネルギー政策と経済がどのように動くかはまだわかりませんが、

市民の動きによって影響をガンガン与えていきましょう。

日本の政府はあまり真剣にエネルギー政策を考えているとは思えません。

市民が再エネを熱望しているということを伝えて、

政策としても再エネに力を入れてもらいたいところです(予算配分の影響は大きい)。

そして、再エネ事業を支援していくことによって、

これから事業を展開しようとしている会社に経済的にも踏ん張ってもらいたいところです。

来年の自由化の際に、安さだけで選ぶ人よりも、再エネなど中身重視で選ぶ人が多ければ、

企業の行動パターンも変わってくるでしょう。

ほとんどの人たちは制度が変わってもしばらくは様子を伺って動かないので、

まずは積極的にエネルギーの中身を見て会社を選び、電力会社を選ぶ仲間を増やしましょう。

豊田さんがすばらしい取り組みを教えてくれました。

パワーシフト・キャンペーンです。
http://power-shift.org/

このサイトから、パワーシフト宣言をすることができます。

宣言をして、市民・消費者の側から後押しをしていきませんか。
また、ここで宣言をした人には、今後電力会社などの情報が送られてくるそうです。

興味がある方はぜひ登録してみてください。サイトも読みやすいです。


●まだまだ不透明な電力システム改革
私が今回一番驚いたのは、スケジュールはできているものの、

システム改革の中身がこの時期にあまりにも未確定なことです。正直心配です。
制度変更が今年に入ってからもありました。

参入会社も、補助金の割合や送電料金が決まらないと値段が決められません。

場合によっては参入できるかどうかという決断にもつながるかもしれません。

情報公開・表示の基準のルールもまだできていません。これでは私たちも選択しようがありません。

そもそも、公平なルールがない、野放しの「自由化」は弱肉強食の世界にもなり得ます。

そのルールをしっかりと練る時間をとらないまま、なし崩し的に自由化が始まる危険性を少し感じました。

ということで、今はわからないことがまだたくさんあるので、

もうちょっと制度的に具体的なことが決まるだろう来年1月頃にもう一度勉強会したいなぁと考えています。

その頃にはもっとこの話が盛り上がっているといいですね。

なお、今回の勉強会は京のアジェンダ21フォーラムの講師派遣制度を利用させていただきました。

京都市内だったら皆さんもこの制度を使えますので、ぜひまわりの方と勉強会を開催してはいかがでしょうか?

会場を用意して、仲間を集めたら、豊田さん(たぶん)が来てくれます♪ おススメです!
 

興味のある方は、京のアジェンダ21フォーラム(担当:石崎さん)に相談してみてください。
E-mail:ishizaki@ma21f.jp 、Tel:075-647-3535

電気を買う会社を選べるなんて、かなりワクワクします。

よい制度に育つといいですね。
 


(春山文枝)
 

講師の豊田さん。質問の嵐にも丁寧にこたえてくれました。
勉強会のはじめにワークショップもありました。
当日のレジュメはこちら→