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省エネ診断見学会  2015/2/16 mon

かぜのねでは、省エネ診断を行い、その様子を見学会として公開しました。

かぜのねでは、太陽光パネルを設置した2014年5月以降、順調に発電・売電してきました。

6月には449.76kWhも発電でき、日々の発電量を見るのも楽しくなってきました。


発電量が増えると嬉しいのですが、一方で、発電を増やすだけでなく、

エネルギーを消費しない=省エネも同時に取り組まなければなりません。
そうした思いがありながら、なかなか実行に移せずいましたが、
今冬に発電量が落ちて電気代も高くなるのをみて、このタイミングで省エネに取り組もうということになりました。


ただ、省エネといっても、かぜのねはカフェ営業をしているので、
お客さんのために暖房を下げることもできないし、高価な機器を導入するほどの余裕もありません。
そこで、まずどのような省エネ対策がかぜのねに合っているのか
京都市が行っている『省エネ診断』を利用して教えてもらうことにしました。

 


ちなみに、この診断は、京都市内の事業所であればどこでも無料で行うことが出来るものです。
今回のかぜのねの診断をひとつの参考として、

ご自身で営まれている事業所、あるいはお勤め先での診断も検討してみてはいかがでしょうか?

診断の様子>

当日は、かぜのねのカフェ営業はお休みでしたが、「まるまるいちにち商店街」が開催中でした。
美味しそうな手づくりパンやカワイイ雑貨が並び、参加者の皆さんがあちこちで談笑される中での診断となりました。

 

 

 

今回の事業について


京都市 環境政策局地球温暖化対策室 植良さんより、まず事業の説明をしていただきました。

現在、京都市では、市内のエネルギー消費の観測をしているそうです。
一般家庭、事業所共に、個々の電力消費は省エネ家電等の導入などにより低減が進んでいるものの、
事業所全体では、その総数が増えているため微増傾向にあるとのことです。

事業所の省エネのネックはなんといっても空調や照明!

お客さんのことを考えて減らせないところが多いのでは?と予想されています。
今後さらに省エネを進めるために、様々ある事業形態ごとにどのような省エネ対策が有効なのか?

ということを知る為にもこの事業は活用されている、とのお話でした。

 

ちなみに、本事業の正式名称はBEMS普及コンソーシアム京都 エネルギー管理専門家派遣事業といって、
実は、BEMS(Building Energy Managiment System)という

エネルギーの適性管理を行う機器の普及を主な目的とした事業です。
今回の「省エネ診断」は、その機器を導入するかどうかの判断過程における市のサービスということになります。

 


なお、省エネ診断のみを行う事業も「京都産業エコ・エネルギー推進機構」という組織が行っており、
こちらでも京都市だけでなく、京都府全体の事業者を対象に省エネ相談を受け付けているとのことです。

京都産業エコ・エネルギー推進機構/支援・補助事業情報

右:京都市 環境政策局地球温暖化対策室 植良さん(みどりのジャケット)

左:㈲ひのでやエコライフ研究所 山見さん(赤いジャケット)

診断の進め方
 

次に今回省エネ診断を担当してくださる㈲ひのでやエコライフ研究所の山見さんから

省エネ診断の役割と今回の進め方についてお話いただきました。

「省エネ診断、省エネ対策は大企業では、やりきっている感があります。だから、今後は小さい企業や家庭での省エネが進まなければこれ以上省エネは進まないので、こういった小さな事業所の省エネは大切。」だそうです。



<今回の省エネ診断の提案の3ステップ

 ①まずは『必要か不要かを考える』
  例えば、棚などの影になっている部分の照明などは不要なものとして無くす。

 

 ②次に『機器の使い方を考える』
  例えば、エアコンの温度設定などを見直す。
 

 ③さいごに『省エネ機器に買い換える』
  例えば、機器が古くて必要な機能を失っている場合など。


あくまで、買換えは最後の手段。無闇な買換えはそれこそエネルギーの無駄ですもんね。

それに、まずは意識と習慣を変えていくことが何より大切だということですね。

実際の診断の様子>
 

まずは「お湯」


かぜのねでは、ガスは料理に使うので、お皿洗いには瞬間湯沸かし機を使い、お茶や白湯には電気ケトルを利用しています。
 

瞬間湯沸かし器も電気ケトルもお湯を沸かすのには効率は良いそうです。
ただ、電気ケトルは1日に50回(!)も使用しているため、かなり電気代がかかっているようです。
沸かしたお湯の保温方法など、お湯を沸かす回数を減らす方法を考える必要がありそうです。

0.8Lと小型のため、冬場はとくに使用頻度が増える電気ケトル。

次に「冷蔵庫」
かぜのねでは6台の冷蔵庫使っていますが、

そのうち3台はかなり古く、性能もかなり落ちてしまっているため、買い替えが必要になりそうです。

 

かぜのねの年期の入った冷蔵庫たち。開店時にゆずっていただいた物もあり、なかには1997年式というツワモノも。。。

次に「空調」
かぜのねでは、夏場はエアコンに扇風機、冬場はペレットストーブとエアコンとストーブを使用しています。
空調は空気を回し、循環させることが大切とのこと。

冬場もサーキュレーターやシーリングファンを導入することを勧められました。
 


さらに、換気扇についても指摘されました。
部屋が密閉された状態で換気扇を回すと、外に面した窓から隙間風を吸い込んで、室内の温度が変わってしまうそうです。
なので換気扇を使う場合は、できるだけ近くの窓を空けて、換気扇の周りだけで空気を循環させるとよいそうです。

(これは一般の家庭でも使える豆知識ですね。)

 

2階のシェアオフィスフロア
入居6軒のうち常時いるのは2軒。

電気代は賃料に含まれているので、使用頻度や使用量などは把握できていません。
まずは、どんな電化製品を使っているのかアンケートをとって、一緒に使用方法を検討していけるようにとのことでした。

 

そもそも、、、

かぜのねの営業時間は、11時から22時なのですが、実は仕込みや片付けのため

9時から23時過ぎまでは開店時と近い状態で電気を使っているので、開店時間以外の電気の使い方も見直す必要がありそうです。
 

また、カフェなので、スタッフは立って動いていて、お客さんは座っています。
暑い・寒いという感じ方も違うかもしれないので、目安として実際に温度を測定するとよいとアドバイスをうけました。

 

 

 

<<診断はここまで

 

 

今回の診断を基に後日、省エネに向けたご提案をいただきます。
かぜのねでは、その提案にもとづき省エネに取組んでいく予定ですので、ぜひお楽しみに!

びっしり書込まれた 診断書

後日いただく省エネ提案が楽しみのような、すこしこわいような。。。

質疑応答

参加者の皆さんからの質問に㈲ひのでやエコライフ研究所の山見さんがお答えくださいました。

 

 

 


質問>

家の電球明るくなるまで時間がかかる。それでもこまめに消したほうがいい?

 

 

回答>

こまめに消したほうがいいです。

 

電球には三種類(白熱灯、電球型蛍光灯、LED電球)あります。明るくなるのが遅いのは電球型蛍光灯です。

 

電球はなんでもそうですが、点灯時に一番電気を食いますが、それは1秒にも満たない短さです。

なので、消し忘れなどを防ぐためにもこまめに消したほうがいいです。

 

 

 


質問>
一般家庭と事業所で使われる電気の用途は違いますか?

 

 

回答>

事業所には色んな業態があるので、一概には言えません。
 

ただ、家庭での電力消費ランキングは、1位が冷蔵庫、2位が照明、3位がテレビ、4位がエアコンです。

エアコンの順位の低さに驚かれますが、実はエアコンは一年中使わないのと、省エネ化が進んだので4位になっています。

家庭での省エネの際には、冷蔵庫の温度設定(冬場は弱にするなど)をするとだいぶ違いますよ。
 

 

 

 


質問>

節電すると電力会社からクレームが来たりしませんか?
 

 

回答>

法律上してはいけないことになっていますから、怒られることはありません。

それどころか、海外では省エネのコンサルタントを電力会社自身がやっていますから、そろそろ日本もやり出すかもしれません。

 

ちなみに、アメリカでは電気のピークタイムに供給不足になりそうな場合に、

遠隔操作で契約家庭の電気を切って、供給不足を防ぐというシステムがあります。

このシステムは便利なのですが、利用者が省エネを忘れてしまいますので、

個人的には、意識や習慣を変えて節電を行うのがいいように思います。
 

 

 

 


質問>

お湯を沸かすのに、一番効率的なのは?

 

 

回答>

瞬間湯沸かし器や給湯器です。熱が逃げないように沸かすことができます。

はじめの捨て水は少し勿体ないですが。。。

 

 

 


質問>

床暖房は省エネになるの?

 

 

回答>

なると思いますが、床下にお湯を通したり、電気であっためたり、太陽熱を回したり、

いずれもリフォームが大変です

省エネのことを考えるなら、まずは床下断熱をしたほうがいいでしょう。

コタツやカーペットの下にキャンプなどで使う銀色の断熱シートを敷くだけでかなり省エネになります。

ただ、断熱すると夏場の熱が逃げにくくなるので、それも考えて、取り外し可能な方法で行った方がいいでしょう。

 

 

 

 


質問>

一般家庭で見落としがちな省エネポイントは?

 

 

回答>

給湯器の待機電力です。

 

常時つけておくと20ワットくらい消費しますから、これを落とすだけで電気代はかなり違うはずです。

 

但し、コンセントを抜くのはやめてください。電源に繋がっていないと、凍結防止のシステムが作動せず、

給湯器が壊れてしまう可能性があります。

 

参考)待機電力の消費量が多い家電ベスト5

 

リンク集

文中のリンク先を以下にまとめています。

 

 

■京都市 環境政策局地球温暖化対策室

 今回の省エネ診断を担当されている京都市の担当部署です。

 京都市内の環境保全、エネルギー政策に関することを担当されています。

 

BEMS普及コンソーシアム京都 エネルギー管理専門家派遣事業

 今回、この事業を利用して、省エネ診断を受診しています。

 京都市内の事業所を対象にBEMSというシステム導入推進を目的とした事業です。

 

■京都産業エコ・エネルギー推進機構

 京都府下の経済界、大学、行政、産業支援機関が結集し、「エコ・エネルギー産業の振興」や「中小企業のエコ化・省エネ化」など、グリーンイノベーションの創出に取り組みをしている機構です。

 こちらでも京都府内の事業所の省エネ診断を行っているそうです。

 

㈲ひのでやエコライフ研究所

 京都市内で1999年から環境問題に取組んでこられています。

 かぜのねでも以前から大変お世話になっていて、多目的スペース太陽光パネル作成ワークショップも開催いただきました。

 

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